最高裁判所第三小法廷 昭和44年(オ)454号 判決 1969年9月02日
上告人
金成竜
代理人
豊川忠進
上告人
株式会社滋賀相互銀行
代理人
野村清美
被上告人
朴快特
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理由
上告人全成竜代理人豊川忠進、上告人株式会社滋賀相互銀行代理人野村清美の上告理由について。
本件士地は被上告人が前所有者今田実雄から買い受けたが、その後被上告人が上告人全と古鉄売買業を共同で行なうに際し、その所有の右土地その他の営業用財産を上告人全との共有にすることに同意したものであり、したがつて、本件土地は右同意の時以後両者の共有に属するに至つたものである旨、被上告人は本件土地について共有権を有するから、右共有権に基づき、上告人全に対しその単独所有の旨の第一審判決添付目録一の登記につき、上告人銀行に対し上告人全の単独所有を前提とする同目録三および四の登記につき、実体関係に符合させるための更正登記手続を求める被上告人の本訴請求はいずれも理由がある旨の原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯できる。所論は、原審の専権に属する事実の認定を非難するか、原判決と異なる見解に立つて原判決を非難するものであるが、原判決には所論の違法はない。したがつて、論旨は採用できない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(関根小郷 田中二郎 下村三郎 松本正雄 飯村義美)